オンライン講座プラットフォームを選ぶ際に、意外と見落とされがちなのが 「決済手数料」 です。 特に Thinkific は海外ツールということもあり、ネット上の情報も英語が中心で、最新の料金体系を誤解してしまうケースも少なくありません。
今回、Thinkific のサポートに直接問い合わせた結果、 「日本だけルールが異なる」という重要なポイントが判明しました。
この記事では、Thinkific の決済まわりの仕組みを、初心者の方でも理解できるよう、できるだけシンプルに整理します。
■ Thinkificには「TCommerce」という独自の決済システムがある
Thinkific には本来、 Thinkific Payments(TCommerce) という独自の決済システムが用意されています。
- アメリカ
- カナダ
- イギリス
- EU諸国(一部)
ではこの TCommerce が利用できます。
TCommerce を使うと、 ・注文の管理 ・売上レポート ・注文バンプ / ギフティング などの追加機能 が Thinkific 内で完結する仕組みです。
■ TCommerce が使える国では「外部決済を使うと追加手数料」が発生する
TCommerce が使える国では、Stripe や PayPal のような「外部決済サービス」を利用すると、Thinkific 側が**追加のゲートウェイ手数料(2〜5%)**を課しています。
理由はシンプルで、 「TCommerce を使ってほしいから」 です。
そのため、アメリカやカナダのクリエイターは、Stripe を使うと Stripe 手数料+Thinkific 手数料がかかる仕組みになっています。
■ しかし、日本は「TCommerce が未対応」=別ルールになる
ここがもっとも重要なポイントです。
🔥 日本では TCommerce(Thinkific Payments)が利用できません。
🔥 そのため、Stripe や PayPal を使うしか選択肢がありません。
この状況で、アメリカと同じように「外部決済だから追加手数料を取る」というのは不公平になるため、Thinkific は日本を 例外扱い にしています。
その結果、日本では以下のルールが適用されます:
■【結論】日本では Stripe / PayPal の手数料だけでOK(Thinkific手数料は0%)
Thinkific 公式サポートからの回答は次のとおりでした:
Stripe は Third-Party Gateway として扱われるが、 日本では 追加ゲートウェイ手数料は発生しない (TCommerce が使えない国は例外)
つまり、
✔ 日本のクリエイターが負担するのは Stripe(または PayPal)の決済手数料だけ
✔ Thinkific 側の追加手数料はゼロ
✔ プラン(Free / Basic / Start / Grow / Expand)に関係なく一律
これは、海外のクリエイターよりもむしろ有利な仕組みと言えます。
■ 10,000円の講座を販売した場合の例(日本の場合)
Stripe 日本の一般的な手数料は 3.6%。
- 10,000円 × 3.6% = 360円
- Thinkific 側の手数料 = 0円
講師の受け取り金額:9,640円
日本のプラットフォーム(Udemy 30〜75%、ココナラ 22% など)と比べると、かなり手取りが多くなるのがわかります。
■ 他のオンライン講座サービスと比べると、Thinkificは“手取りが大きい”
日本の主要なプラットフォームと比較すると、手数料の差は一目瞭然です。
| サービス | 手数料 | 10,000円販売時の講師の手取り |
|---|---|---|
| Udemy | 30〜75% ※集客経路で変動 | 2,500〜7,000円程度 |
| ココナラ | 約22%+税 | 約7,800円前後 |
| Note(有料記事) | 約15% | 約8,500円前後 |
| STORES(決済) | 約5%前後 | 約9,500円 |
| Thinkific(日本) | Stripe のみ 3.6% | 9,640円 |
こうして見ると、 Thinkific は講師側の利益が最も減りにくいサービスのひとつ であることがわかります。
特に複数講座を販売していくビジネスモデルでは、 この差が月間・年間で大きな利益差につながります。
■ 日本で Thinkific を使う場合のおすすめ設定
1. Stripe を利用する(最も手数料が安い)
日本では Stripe が最も一般的で、手数料もシンプルです。
- API 連携も簡単
- 定期課金(サブスクリプション)にも対応
- トラブルが少ない
Thinkific との相性も非常に良いです。
2. PayPal は補助的に導入する
PayPal を利用するユーザーは一定数いますが、
- 手数料が Stripe より少し高い
- 管理がやや複雑
という特徴があるため、
Stripe「メイン」 PayPal「希望者向けサブ」
という設定がおすすめです。
3. プランに関係なく手数料は同じ
前半でも触れましたが、これは非常に重要です。
- Basicプラン
- Startプラン
- Growプラン
- Expandプラン
どのプランでも、手数料体系は同じ(Stripe/Paypal のみ)です。
つまり「売上が増えたら急に手数料が増える」という心配がありません。
■ 注意点:TCommerce が日本で解禁されると仕様が変わる可能性はある
現時点では TCommerce が日本で使えないため、
- Thinkific 側の追加手数料なし
- Stripe だけでOK
という非常に有利な状態ですが、 今後 TCommerce が日本に展開される可能性があります。
その場合、
- ✔ TCommerce が推奨される
- ✔ Stripe に追加手数料が発生する可能性がある(米国と同様のルールなら)
という点は今から知っておくと良いでしょう。
ただし、現時点では未定であり、数年は変わらない可能性も十分あります。
■ まとめ:日本の Thinkific ユーザーは手数料面で“かなり恵まれている”
改めて、日本で Thinkific を利用する場合の決済手数料は以下のとおり:
▼ 日本ユーザーの決済手数料
- Stripe:3.6%(これだけ)
- PayPal:PayPal の標準手数料
- Thinkific 側の追加手数料:0%(不要)
▼ なぜ?
- 日本では TCommerce が未対応
- 追加手数料は TCommerce 対応国だけに適用
- そのため日本は 例外的に外部決済だけでOK
▼ メリット
- 講師の利益が最大化できる
- プランによる手数料変動がない
- 他サービスより圧倒的に手取りが多い
今後、TCommerce が日本にも導入される可能性はありますが、現時点ではこのメリットを最大限に活かして講座販売が可能です。