Googleは、JavaScript SEOに関する公式ドキュメントを更新し、HTTPステータスコードが200以外の場合のJavaScript実行(レンダリング)についての考え方を明確にしました。 これは、JavaScriptを多用する現代のWebサイト運用において、検索順位やインデックスに直結する重要なポイントです。
変更点の要点:200以外はレンダリングされない可能性
Googleは次のように説明しています。
HTTPステータスコードが200のページ JavaScriptの有無に関わらず、すべてレンダリングキューに送られる
HTTPステータスコードが200以外のページ(例:404) レンダリングがスキップされる可能性がある
つまり、見た目上は正しく表示されているページであっても、HTTPレスポンスが404や500などになっている場合、GoogleはJavaScriptを実行せず、ページ内容を正しく理解しない恐れがあります。
Googlebotの挙動を改めて整理
今回の更新で、Googlebotの挙動がより明確になりました。
- Googlebotは 200ステータスのページのみを確実にレンダリング対象として扱う
- 非200ページは、クロールされてもレンダリング段階に進まない場合がある
- レンダリングされなければ、JavaScriptで生成されたコンテンツは評価対象にならない
これは、SPAやSSRを使ったサイト、JavaScriptで主要コンテンツを生成しているサイトにとって、特に注意すべきポイントです。
今週行われたその他のJavaScript SEO関連の更新
Googleは今回の説明追加とあわせて、JavaScript SEOに関して複数の補足・修正を行っています。
- JavaScriptを使ったcanonical指定に関する考え方の明確化
- 初期HTMLでJavaScriptによってnoindexタグを生成するべきではないという注意喚起
これらからも分かる通り、Googleは「JavaScriptに依存しすぎない、明確で一貫したHTML構造」を強く求めています。
なぜ重要なのか:SEOへの直接的な影響
この仕様を理解していないと、次のような問題が起こり得ます。
- 本来インデックスさせたいページが404扱いになっている
- JavaScriptで生成した重要コンテンツがGoogleに認識されない
- 検索順位が上がらない、もしくは急に落ちる
Googleがレンダリングをスキップしたページは、内容を十分に評価できないため、検索結果で不利になる可能性が高くなります。
実務的な対策ポイント
SEOの観点から、次の点を必ず確認しておくべきです。
- インデックスさせたいページは 必ずHTTP 200を返しているか
- エラーページや一時的な制御に、意図せず404や302を使っていないか
- JavaScriptで生成される主要コンテンツが、正しくレンダリング対象になっているか
特に、CMSやフレームワークの設定変更、リニューアル時には、HTTPステータスの確認が欠かせません。
まとめ:JavaScript SEOは「ステータスコード」から見直す
今回のGoogleの説明は、「JavaScript SEO=高度な実装」というイメージに対し、 まずはHTTPステータスコードという基本を正しくすることが最優先 であることを改めて示しています。
JavaScriptでどれだけ凝った実装をしても、Googleにレンダリングされなければ評価されません。 AI検索やGEOが注目される今だからこそ、技術的なSEOの土台を見直すことが、長期的な可視性につながります。




