【保存版】Web向けUIフレームワークまとめ|Radix UI・shadcn/ui・Tailwind UIまで

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近年、WebサイトやWebアプリ開発における UIフレームワークの選択肢は爆発的に増加しています。 一昔前は Bootstrap や Material UI など、見た目まで完成されたUIを選ぶのが一般的でしたが、現在では Radix UI のような Headless UI、それをベースにした shadcn/ui、さらに Tailwind UI のような完成デザインテンプレートまで、思想も用途も大きく異なる選択肢が並ぶ時代になりました。

その一方で、「結局どれを選べばいいのか分からない」「それぞれ何が違うのか整理できていない」という声も多く聞かれます。UIフレームワークは単なる見た目の問題ではなく、開発体験・保守性・拡張性・チーム構成にも直結する重要な技術選定ポイントです。

この記事では、Web向けUIフレームワークを 思想や役割ごとに整理しながら、Radix UI・shadcn/ui・Tailwind UI を起点として、現在のUIエコシステム全体像を俯瞰します。 個別の使い方や実装方法ではなく、「それぞれがどんな立ち位置にあり、どんな場面で選ばれるのか」を理解するための整理記事としてまとめていきます。

① Headless / Primitives 系(Radix UI系譜)

ロジック・アクセシビリティ重視/デザインを持たないサイトに最適

Radix UI

Radix UIとは
Radix UI公式サイト

https://www.radix-ui.com/

Radix UIは、モダンなWebサイトやWebアプリケーションを構築するためのオープンソースのヘッドレスUIコンポーネントライブラリです。2020年にModulzチームによって公開され、主にReact向けに設計されていますが、コミュニティ主導でVue版やSvelte版も開発されています。

Radix UIの最大の特徴は「ヘッドレスUI」である点です。これは、見た目(スタイル)を一切持たず、挙動やアクセシビリティに特化したコンポーネントのみを提供するという考え方です。そのため、Tailwind CSSやCSS Modules、通常のCSSなど、開発者が好むスタイリング手法を自由に組み合わせてデザインできます。既存のデザインやブランドに自然に溶け込ませやすく、デザインの自由度が非常に高いのが魅力です。

また、Radix UIはアクセシビリティを重視して設計されています。WAI-ARIAのガイドラインに準拠し、キーボード操作、スクリーンリーダー、タッチ操作など、さまざまな利用環境で正しく動作するよう厳密にテストされています。初心者が見落としがちなアクセシビリティ対応を、標準で高いレベルまでカバーしてくれる点は大きな安心材料です。

提供されている「Radix Primitives」には、Popover、Tooltip、Select、Switch、Avatarなど、実用的なコンポーネントが25種類以上含まれています。これらは必要最小限のマークアップのみを出力し、APIも型安全に設計されています。結果として、開発効率と保守性を両立したUI構築が可能になり、個人開発から大規模プロダクトまで幅広く採用されています。

こんな方向け

Radix UIが向いているのは、デザインの自由度と品質を重視するプロジェクトです。既存のデザインシステムやブランドガイドラインが明確に決まっている場合、あらかじめスタイルが固定されたUIライブラリよりも、ヘッドレスなRadix UIの方が無理なく統合できます。特に、Tailwind CSSなどのユーティリティファーストCSSを採用しているプロジェクトとは相性が良く、最小限のコンポーネントロジックを土台に、柔軟なUI設計が可能です。

また、中〜大規模なWebアプリケーションや、長期的に運用・改善を続けるSaaSプロダクトにも適しています。アクセシビリティが最初から考慮されているため、後から大規模な修正を行うリスクを減らせます。さらに、チーム開発において「挙動は共通、見た目はプロジェクトごとに最適化する」といった分業もしやすく、デザインシステムの基盤としても有効です。一方で、すぐに完成された見た目が欲しい場合より、自分たちでUIを作り込んでいきたい開発者・チームに特に向いているライブラリと言えるでしょう。

Headless UI

Headless UIとは
Headless UI公式サイト

https://headlessui.com/

Headless UIとは、見た目のスタイルを一切持たず、挙動やロジックのみを提供するUIライブラリの考え方、およびその代表的な実装を指します。従来のUIライブラリが「完成されたデザイン付きコンポーネント」を提供するのに対し、Headless UIはHTML構造とJavaScriptの振る舞いに集中し、スタイルは開発者に完全に委ねられています。

このアプローチにより、プロジェクト固有のデザイン要件や既存のデザインシステムに合わせて、自由度の高いUI構築が可能になります。コンポーネントは最低限のマークアップとロジックのみを持ち、CSSやアニメーション、細かな見た目の制御はTailwind CSSや独自CSSなど、好みの手法で実装できます。

また、Headless UI系ライブラリはアクセシビリティを重視して設計されている点も重要です。フォーカス管理、キーボード操作、クリック外判定といった複雑なUIロジックを内部で安全に処理するため、開発者は見た目の設計に集中できます。結果として、柔軟性・再利用性・アクセシビリティを高い次元で両立できるのがHeadless UIの大きな特徴です。

向いているケース・プロジェクト

Headless UIが特に向いているのは、独自デザインや既存のデザインシステムを重視するプロジェクトです。SaaSや業務アプリのように、UIの一貫性やブランド表現が重要な場合、スタイル固定のUIライブラリよりも適しています。また、Tailwind CSSなどを使って細かくUIを制御したいチームや、長期運用を前提とした中〜大規模開発にも有効です。一方で、すぐに完成された見た目が欲しい場合より、UIを自分たちで設計・管理したい開発者向けの選択肢と言えるでしょう。

React Aria

React Ariaとは
React Aria 公式サイト

https://react-aria.adobe.com/

React Ariaは、Adobeが開発・提供しているアクセシビリティ重視のReact向けヘッドレスUIライブラリです。最大の特徴は、50以上のコンポーネントと低レベルなHooksを通じて、高度なUI挙動・アクセシビリティ・国際化対応をスタイルなしで提供する点にあります。見た目は一切含まれておらず、開発者はCSSやTailwind、CSS-in-JSなど任意の手法で自由にデザインできます。

React Ariaは単なる「部品集」ではなく、マウス・タッチ・キーボード・スクリーンリーダーといったあらゆる入力方法に最適化されたインタラクション設計が組み込まれています。フォーカス管理、キーボードナビゲーション、ドラッグ&ドロップ、複数選択、クリック外判定など、実装が難しくバグを生みやすい挙動を安全に抽象化しています。

さらに、React Ariaは国際化(i18n)を標準サポートしている点も大きな強みです。30以上の言語翻訳、複数の暦(カレンダー)体系、数値・日付フォーマット、RTL(右から左)レイアウトなどに対応しており、グローバル向けアプリケーションの基盤としても設計されています。高レベルなコンポーネントから低レベルなHook APIまで段階的に使えるため、シンプルなUIから極めて複雑なカスタムUIまで幅広く対応できるライブラリです。

向いているケース・プロジェクト

React Ariaが特に向いているのは、アクセシビリティ・操作性・品質を最優先する中〜大規模Webアプリケーションです。業務アプリ、管理画面、SaaS、グローバル展開を前提としたサービスなど、UIの複雑さと長期運用が想定されるプロジェクトに適しています。また、既存のデザインシステムを持ち、見た目は自社で完全にコントロールしたいチームにも最適です。一方で、学習コストはやや高いため、「確実に正しく動くUIを作りたい開発チーム」向けの本格的な選択肢と言えるでしょう。

Ark UI

Ark UIとは
Ark UI公式サイト

https://ark-ui.com

Ark UIは、完全にスタイルを持たないヘッドレスUIライブラリで、再利用性と拡張性の高いデザインシステムを構築することを目的に設計されています。React・Vue・Svelte・Solidといった複数のJavaScriptフレームワークに対応しており、単一の思想・API設計をベースに、異なる技術スタック間で一貫したUIロジックを共有できる点が大きな特徴です。

Ark UIのコンポーネントは「Zero-Styling」を前提としており、見た目は完全に開発者側で定義します。各コンポーネントは小さな部品に分解されており、Label、Control、Track、Thumbといった構造を自由に組み合わせることで、複雑なUIも柔軟に構築できます。この高いComposable(合成可能)設計により、プロジェクトやブランドごとに最適化されたUIを無理なく作れます。

さらにArk UIの大きな強みが、State Machine(状態機械)駆動の設計です。コンポーネントの状態遷移が明確に定義されているため、挙動が予測しやすく、UIのバグや想定外の挙動を大幅に減らせます。また、WCAG準拠のアクセシビリティを前提に設計・テストされており、操作性・可用性の面でも信頼性が高いライブラリです。デザインとロジックを明確に分離した、本格的なデザインシステム向けのHeadless UIと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Ark UIが特に向いているのは、複数プロダクト・複数フレームワークで共通のデザインシステムを運用したい組織やプロダクトチームです。ReactとVueを併用している環境や、将来的な技術移行を見据えた設計にも強みがあります。また、UIの挙動を厳密に管理したいSaaSや業務アプリ、大規模サービスにも適しています。一方で、自由度が高い分、設計力が求められるため、「長期的に育てるデザインシステム」を前提としたチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

Zag.js

Zag.jsとは
Zag.js公式サイト

https://zagjs.com/

Zag.jsは、有限状態機械(Finite State Machines / Statecharts)を中心に据えてUIコンポーネントのロジックを設計する、フレームワーク非依存のヘッドレスUIライブラリです。Accordion、Dialog、Menu、Number Inputなど、よく使われるUIパターンの「挙動」だけを抽象化し、React・Vue・Solid・Svelteなど様々な環境で再利用できる形で提供します。

Zag.jsの最大の特徴は、「UIのロジックを状態機械として明示的にモデル化する」点にあります。クリック、フォーカス、キー操作などによる状態遷移がすべて定義されているため、挙動が非常に予測しやすく、バグが入り込みにくい設計になります。実装は完全にヘッドレスで、スタイルは一切含まれていません。開発者はAPIを通じてDOM属性を取得し、自分のHTML・CSS・デザインシステムに接続するだけでUIを構築できます。

また、Zag.jsはアクセシビリティを前提に設計されており、WAI-ARIAに準拠したDOMセマンティクスを自動的に扱います。内部的にはXStateの思想に強く影響を受けていますが、UIコンポーネント向けに最適化されており、より軽量で実用的です。「ロジックは一度書けば、どのフレームワークでも使える」という思想は、現代のデザインシステム構築に非常にマッチしています。

向いているケース・プロジェクト

Zag.jsが特に向いているのは、複数フレームワークで共通のUIロジックを使い回したいデザインシステムやプロダクト群です。ReactとVueを併用している組織や、将来的な技術変更を想定したUI基盤づくりに適しています。また、UIの挙動を厳密に定義・テストしたいSaaSや業務アプリにも強力です。一方で、状態機械の考え方に慣れが必要なため、UIロジックを長期的に資産化したいエンジニアリング志向のチームに向いたライブラリと言えるでしょう。

Ariakit

Ariakitとは
Ariakit公式サイト

https://ariakit.org/

Ariakit は、アクセシビリティを最優先に設計されたReact向けのヘッドレスUIライブラリです。unstyled(スタイルなし)のプリミティブなコンポーネントを中心に提供しつつ、実践的なスタイル付きサンプルコードをコピー&ペーストで利用できる点が大きな特徴です。単なる理論的なヘッドレスUIではなく、「実際にどう実装すればよいか」が分かりやすく提示されています。

AriakitはDialog、Popover、Menu、Combobox、Formなど、Webアプリで頻出するUIパターンを幅広くカバーしており、WAI-ARIAに準拠したキーボード操作やフォーカス管理、スクリーンリーダー対応が最初から組み込まれています。特にDialogやCommand Menuの実装は評価が高く、ネスト構造やBackdrop管理など、実装が難しい部分も安全に扱えます。

また、Next.js App Routerとの相性が良い点も特徴です。URLステートやSearch Params、Optimistic UIといったモダンなReact / Next.jsの設計思想と自然に統合できるよう設計されています。Ariakitは「最低限の抽象化」でUIロジックを提供しつつ、必要であれば開発者が深く制御できる余地を残しており、実用性と柔軟性のバランスが取れたHeadless UIライブラリと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Ariakitが向いているのは、アクセシビリティを重視しつつ、実装の分かりやすさも大切にしたいReactプロジェクトです。SaaS、管理画面、検索UI、Command Menuなど、実務でよく使われるUIを安全に実装したいケースに適しています。また、Headless UIに興味はあるものの、ゼロから設計するのは不安という開発者にも向いています。完成形のサンプルをベースに調整できるため、個人開発から中規模チームまで幅広く使いやすい現実的な選択肢と言えるでしょう。

Reach UI

https://reach.tech/

Reach UI は、Reactアプリケーション向けに設計されたアクセシビリティ重視のUIコンポーネントライブラリです。コンセプトは非常に明確で、「Reactベースのデザインシステムにおける、信頼できるアクセシブルな土台になること」を目的としています。見た目よりもまず正しい挙動とアクセシビリティを優先している点が大きな特徴です。

Reach UIの各コンポーネントは、Safari + VoiceOver、Firefox + NVDA、Edge + JAWSといった主要なスクリーンリーダー環境で実際にテストされており、現実の利用環境を前提とした品質が担保されています。WAI-ARIAの仕様をただ実装するだけでなく、「実際にどう使われるか」を意識した設計がなされているため、アクセシビリティ対応に不安のある開発者でも安心して利用できます。

また、Reach UIは最小限のスタイルのみを提供する半ヘッドレス的な設計を採用しています。デフォルトの見た目は非常に控えめで、独自のCSSやデザインシステムに組み込みやすくなっています。プロジェクトはReact Trainingチームによる教育事業(オンライン講座・ワークショップ)によって支えられており、実務と教育の両視点から培われたノウハウが反映されたライブラリと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Reach UIが向いているのは、アクセシビリティを「後付け」ではなく「前提条件」として扱いたいReactプロジェクトです。社内向けツール、公共性の高いWebサービス、教育・行政系サイトなど、UIの正確さと信頼性が重視される場面に適しています。また、独自デザインを前提としたデザインシステムの基盤としても使いやすく、Headless UIほど自由すぎない適度な抽象化を求めるチームにも向いています。堅実で実証済みのアクセシブルなUI基盤を求める場合の有力な選択肢と言えるでしょう。

Floating UI

Floating UIとは
Floating UI公式サイト

https://floating-ui.com/

Floating UIは、Tooltip・Popover・Dropdown・Menuなどの「浮かぶUI要素」の位置決めに特化した低レベルライブラリです。かつて広く使われていたPopper.jsの後継的な位置付けとして開発されており、「どこに・どのように表示するか」というレイアウトと衝突回避のロジックにフォーカスしています。

Floating UI自体はUIコンポーネントを提供するライブラリではなく、純粋にポジショニングとインタラクション補助のためのロジック層です。画面端からはみ出ないように自動調整したり、スクロール・リサイズ・ズーム時に正確な位置を再計算したりといった、実装が難しくバグの温床になりやすい処理を安全に扱えます。React向けのHooks APIだけでなく、Vanilla JSでも利用できるため、フレームワークに依存しません。

また、Floating UIはHeadless UI系ライブラリ(Radix UI、React Aria、Ariakitなど)の内部実装としても広く採用されており、モダンなアクセシブルUIの基盤技術としての地位を確立しています。アクセシビリティ面でも、フォーカス管理やARIA属性と組み合わせやすい設計になっており、「見た目」ではなく「正確な挙動」を支える縁の下の力持ち的な存在です。

向いているケース・プロジェクト

Floating UIが向いているのは、Popover・Tooltip・Menuなどを独自実装したいプロジェクトや、既存のUIライブラリでは要件を満たせないケースです。デザインシステムを自作しているチームや、Headless UIをベースに細かく制御したいSaaS・業務アプリに特に適しています。また、React以外の環境でも同じロジックを使いたい場合にも有効です。一方で、完成済みコンポーネントを求める場合には不向きで、UIロジックを自分で組み立てられる中〜上級者向けの基盤ライブラリと言えるでしょう。

② shadcn/ui 系(Radixベースの実装テンプレ)

「完成UIをコピペして使う」思想

shadcn/ui

shadcn/uiとは
shadcn/ui公式サイト

https://ui.shadcn.com/

shadcn/uiは、従来のUIライブラリとは少し立ち位置の異なる、「npmで使うライブラリではないUIコンポーネント集」です。最大の特徴は、完成されたReactコンポーネントをコピー&ペーストして自分のプロジェクトに直接組み込むという思想にあります。内部的にはRadix UIやTailwind CSSをベースにしており、アクセシビリティと柔軟なスタイリングを両立しています。

shadcn/uiは「抽象化しすぎない」ことを重視しており、コンポーネントの実装コードがそのままプロジェクト内に存在します。そのため、ブラックボックスになりがちなUIライブラリとは異なり、コードを読み、理解し、自由に改変できるのが大きな強みです。ボタン、ダイアログ、フォーム、テーブルなど、実務でよく使われるUIが揃っており、必要なものだけを選んで導入できます。

また、公式CLIを使うことで、Tailwind設定・CSS変数・テーマ構成を含めた形でコンポーネントを自動追加できるため、初期導入も比較的スムーズです。shadcn/uiは単なるUI集ではなく、「自分たちのデザインシステムを作るための出発点」として設計されており、完成形を押し付けない点が、多くのフロントエンド開発者から支持されています。

向いているケース・プロジェクト

shadcn/uiが向いているのは、既存のデザインやTailwind CSSを前提に、UIを自分たちでコントロールしたいReact / Next.jsプロジェクトです。SaaS、管理画面、スタートアップのプロダクト開発など、スピードと柔軟性の両立が求められる場面に特に適しています。また、「UIライブラリに依存したくない」「将来のカスタマイズや改修を前提にしたい」チームにも最適です。一方で、ReactやCSSに不慣れな初心者にはやや敷居が高いため、コードを理解しながらUIを育てていきたい開発者向けの実践的な選択肢と言えるでしょう。

shadcn-svelte

shadcn-svelteとは
shadcn-svelte公式サイト

https://www.shadcn-svelte.com/

shadcn-svelte は、React向けのshadcn/uiと同じ思想をSvelte向けに展開した、コピー&ペースト型のUIコンポーネント集です。npmパッケージとして抽象化されたUIライブラリではなく、完成されたSvelteコンポーネントの実装コードをそのまま自分のプロジェクトに取り込むことを前提に設計されています。

内部的にはHeadless UI的な考え方をベースに、アクセシビリティや状態管理を考慮した構造になっており、Tailwind CSSと組み合わせて使われるケースが一般的です。コンポーネントはButton、Dialog、Dropdown、Form、Tableなど、実務で頻出するものが中心で、見た目は最小限に整えられつつも、自由にカスタマイズできる余白が残されています。

shadcn-svelteの大きな魅力は、「UIライブラリに依存しない」点です。コードがすべて手元にあるため、仕様変更や細かな調整、将来的なリファクタリングも容易で、ブラックボックス化を避けられます。また、SvelteKitとの相性も良く、ルーティングやフォーム処理、アニメーションと自然に統合できます。結果として、Svelteで自分たちのデザインシステムを育てていくための現実的な土台として機能するプロジェクトです。

向いているケース・プロジェクト

shadcn-svelteが向いているのは、Svelte / SvelteKitを使い、UIを自分たちで完全にコントロールしたいプロジェクトです。スタートアップのプロダクト、管理画面、個人開発など、スピード感を持って開発しつつ、将来的なカスタマイズ性も重視したいケースに適しています。また、既存のUIライブラリに縛られず、コードを理解しながらUIを改善していきたい開発者にも最適です。一方で、完成済みのテーマや即戦力のUIを求める場合より、「UIを資産として育てたいSvelte開発者向け」の選択肢と言えるでしょう。

shadcn-vue

shadcn-vueとは
shadcn-vue公式サイト

https://www.shadcn-vue.com/

shadcn-vue は、Vue向けに展開されている「UIコンポーネント集」でありながら、従来の意味でのコンポーネントライブラリではありません。最大の特徴は、「npmで依存するライブラリ」ではなく、実際のコンポーネントコードそのものを配布・管理するための仕組みである点です。React版shadcn/uiの思想を受け継ぎつつ、Vueエコシステム向けに再設計されています。

従来のUIライブラリでは、デザインや挙動を変更したくなった瞬間に、スタイルの上書きやラッパーコンポーネント、無理な拡張が必要になることが少なくありません。shadcn-vueはこの問題を解決するため、「Open Code」を中核思想に据えています。つまり、ボタンやフォームなどのコンポーネントコードはすべて手元にあり、自由に編集・拡張できます。ブラックボックスは存在しません。

また、すべてのコンポーネントは共通で合成可能(Composable)なAPI設計を採用しており、学習コストが低く、チーム内でも理解を共有しやすい構造になっています。さらに、フラットなファイル構造とCLIによるコード配布(Distribution)を前提としており、自分たちのコンポーネントを他プロジェクトに配ったり、将来的にはAI(LLM)に理解・生成させることも想定されています。shadcn-vueは単なるUI集ではなく、「Vueで自分たちのデザインシステムをどう作るか」という思想そのものを提供するプロジェクトと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

shadcn-vueが向いているのは、Vue / Nuxtを使い、自社・自分たち専用のデザインシステムを長期的に育てたいプロジェクトです。SaaS、管理画面、スタートアップのプロダクト開発など、初期はスピードを重視しつつ、後から柔軟にカスタマイズしたいケースに適しています。また、UIをライブラリ任せにせず、コードとして資産化したいチームにも最適です。一方で、「完成済みのテーマをすぐ使いたい」場合より、UI設計を自分たちで主導したいVue開発者向けの実践的な選択肢と言えるでしょう。

tremor

tremorとは
tremor公式サイト

https://www.tremor.so/

Tremorは、ダッシュボードや分析画面(Charts / KPI / テーブル / フィルターなど)を素早く構築するためのReactコンポーネント群です。Tailwind CSSを前提に、見た目は“最初から綺麗に整ったデフォルト”を用意しつつ、必要に応じてカスタマイズもしやすい設計になっています。コンポーネントはアクセシビリティを意識して作られており、チャート周りはRecharts、UIの基礎部品はRadix UIと組み合わせているのが特徴です。

さらにtremorは、単に「部品を提供する」だけでなく、Blocks & Templates(ブロックやテンプレート) という形で、実務で使えるダッシュボードUIをまとめて再利用できる仕組みも提供しています。ブロックは300以上が用意されており、ゼロから組み立てなくても、既存パーツを組み合わせて短時間でそれっぽい画面を作れます。

配布形態も特徴的で、コピペ型(ソースコードを取り込んで自由に改変) と、NPMパッケージとして導入の両方を選べる設計です。NPM側の指標として、月間ダウンロードが30万+といった数字も掲げられており、一定の利用実績をうかがえます。 なお、tremorは Vercelに加わった(買収) ことも公式にアナウンスされています。

向いているケース・プロジェクト

tremorが向いているのは、管理画面・分析ダッシュボード・SaaSのレポート画面のように「データを見せるUI」を短期間で形にしたいプロジェクトです。チャートやKPIカード、フィルターなど“分析画面あるある”を前提に設計されているため、UI設計の手戻りを減らしやすいのが強みです。特にTailwind CSSでの開発に慣れているチームだと導入がスムーズです。

HeroUI(旧 NextUI)

HeroUI(旧 NextUI)とは
HeroUI(旧 NextUI)公式サイト

https://www.heroui.com/

HeroUI は、以前 NextUI として知られていた、React向けのUIコンポーネントライブラリです。Tailwind CSSをスタイルエンジンに、React Ariaをロジックとアクセシビリティの基盤に採用しており、「美しさ・使いやすさ・アクセシビリティ」を高いレベルで統合した完成度の高いUIを提供します。

HeroUIは、shadcn/uiのようなコピー&ペースト型ではなく、npm経由で利用する“正統派のUIライブラリ”です。各コンポーネントには、スタイル・挙動・アクセシビリティ・キーボード操作・フォーカス管理などがすべて組み込まれており、開発者は複雑な実装を意識せずにUIを構築できます。一方で、Tailwind CSSを内部で使用しているため、HeroUIのコンポーネント内でも自由にTailwindクラスを指定でき、デザインの柔軟性は高く保たれています。

また、Tailwindのクラス競合を解決するために tailwind-variants という独自ユーティリティを採用しており、カスタムクラスが意図通りに上書きされる設計になっています。CSSはビルド時に生成され、ランタイムCSSを使わないため、Next.jsなど最新のReact環境とも相性が良い点も特徴です。HeroUIは、Headless UIと完成済みUIライブラリの中間に位置する存在として、実用性を強く意識した設計と言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

HeroUIが向いているのは、React / Next.jsで、アクセシブルかつ見た目の整ったUIを素早く構築したいプロジェクトです。SaaS、Webサービス、スタートアップのプロダクトなど、「まずは完成度の高いUIを短期間で用意したい」ケースに特に適しています。Tailwind CSSに慣れている開発者であれば、デザインの調整も直感的に行えます。一方で、UIをゼロから設計するHeadless UIほどの自由度は不要で、安定した完成形をベースに開発したいチーム向けの実践的な選択肢と言えるでしょう。

Park UI

Park UIとは
Park UI 公式サイト

https://park-ui.com/

Park UI は、美しく設計されたアクセシブルなUIコンポーネント群と、コード配布の仕組みを一体で提供するデザインシステム基盤です。Panda CSSをスタイリング基盤に採用し、Reactをはじめとする幅広いJavaScriptフレームワークで利用できる設計になっています。従来のUIライブラリのようにNPMパッケージとしてブラックボックス化されたコンポーネントを使うのではなく、コンポーネントのソースコードそのものを手元に取り込んで管理する「Open Code」思想を中核に据えています。

Park UIでは、すべてのコンポーネント実装とレシピ(スタイル定義)が公開されており、ボタンのバリアント追加や挙動変更も、コードを直接編集するだけで対応できます。これにより、ライブラリ都合の制約やスタイル上書きの回避策に悩まされることがありません。内部的にはArk UIをベースとしており、高いComposable設計とWCAG準拠のアクセシビリティを両立しています。

また、CLIやドキュメント経由でコンポーネントを取得できる「Code Distribution」方式を採用している点も特徴です。デザイン面ではBrains & Pixelsとの協業により、最小限で統一感のある美しいデフォルトデザインが用意され、Figma Kitとの連携も可能です。Park UIは、デザインシステムをコードとして所有・進化させるための実践的なプラットフォームと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Park UIが向いているのは、自社・自分たち専用のデザインシステムを長期的に運用・進化させたいチームや組織です。SaaS、業務アプリ、複数プロダクトを横断するUI基盤など、統一性と拡張性が重要なケースに適しています。また、Ark UIベースのComposable設計により、フレームワークを跨いだ再利用や将来の技術変更にも強いのが特徴です。一方で、即席のUIを求める場合より、UIを「資産」として育てたいプロダクト志向のチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

AnnUI

AnnUIとは
AnnUI 公式サイト

https://www.annui.org/

AnnUIは、Radix UI と Tailwind CSS を基盤に構築された、コピー&ペースト型のReact向けUIコンポーネントコレクションです。npmパッケージとして抽象化されたライブラリというより、shadcn/uiに近い「Open Code」思想を採用しており、完成したコンポーネントのコードをそのまま自分のプロジェクトに取り込み、自由に編集・拡張できる点が大きな特徴です。

AnnUIは、Radix UIの強力な宣言的コンポーネント設計とアクセシビリティを土台にしつつ、Tailwind CSSによる柔軟なスタイリングを組み合わせています。そのため、キーボード操作やフォーカス管理、ARIA対応といったアクセシビリティ要件を自然に満たしたUIを、過度な実装負担なく構築できます。また、APIは宣言的で直感的に設計されており、ボイラープレートを減らしながら、UIの構造に集中できる開発体験が提供されます。

さらにAnnUIの特徴として、アニメーション表現が最初から組み込まれている点が挙げられます。多くのコンポーネントには、操作に対する視覚的フィードバックや状態遷移を分かりやすくするためのアニメーションが付与されており、UIに自然なリズムと洗練された印象を与えます。AnnUIは、Radix UI × shadcn/ui の思想をベースに、体験品質を一段引き上げたUIコレクションと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

AnnUIが向いているのは、shadcn/ui や Radix UI を採用しているReactプロジェクトで、UIの完成度や体験品質を高めたいケースです。SaaS、Webアプリ、管理画面、デザイン性を重視したプロダクトなどに適しています。特に、アクセシビリティを担保しつつ、アニメーションによるUX向上を図りたい場合に効果的です。一方で、npm依存を最小限に抑えたい開発者や、UIコードを完全に自分の管理下に置きたいチームにとって、AnnUIは非常に相性の良い選択肢と言えるでしょう。

SmoothUI

SmoothUIとは
SmoothUI 公式サイト

https://smoothui.dev/

SmoothUIは、アニメーション表現と完成度の高いUI体験に重点を置いた、React向けのUIブロック集です。単なるコンポーネントライブラリではなく、「見た目・動き・触り心地」を重視したプロダクション品質のUIブロックを提供することを目的としています。WebサイトやWebアプリにおいて、意図した体験をそのまま表現できる“スムーズさ”が設計の中心にあります。

SmoothUIは、Motion(アニメーションライブラリ)による滑らかなアニメーションを標準で備えており、ホバー、トランジション、状態遷移などが自然で心地よく設計されています。これにより、UIに視覚的なフィードバックとリズムが生まれ、ユーザー体験を一段階引き上げることができます。また、実装は最新のReact設計に基づいており、Server Components、TypeScript、Hooksなど、モダンなReact開発スタックに最適化されています。

スタイリングには Tailwind CSS v4 を採用し、ダークモードや最新のユーティリティ設計にも対応しています。さらに、shadcn/uiと完全互換である点も大きな特徴です。API設計やコンポーネント構成はshadcn/uiの思想に沿っているため、既存のshadcn/uiプロジェクトに違和感なく統合できます。SmoothUIは、shadcn/uiエコシステムをベースに、アニメーションと表現力を強化したUIコレクションと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

SmoothUIが向いているのは、UIの操作感やアニメーションを重視したReactプロジェクトです。SaaSプロダクト、スタートアップのWebアプリ、マーケティングサイト、LPなど、「触って気持ちいいUI」を実現したいケースに適しています。特に、すでにshadcn/uiを使っているプロジェクトで、表現力や体験品質を底上げしたい場合に相性が良いです。一方で、極端に軽量なUIやアニメーションを抑えたい業務アプリより、UX・デザイン性を重視するプロダクト向けの選択肢と言えるでしょう。

③ Tailwind UI / テンプレート系(完成デザイン)

見た目完成・即使える・時短重視

Tailwind UI

Tailwind UIとは
Tailwind UI 公式サイト

https://tailwindcss.com/plus

Tailwind UI は、Tailwind CSSの開発元であるTailwind Labsが提供する、有料のUIコンポーネント・テンプレート集です。ReactやVue向けのコンポーネント、HTMLテンプレートなどが用意されており、Tailwind CSSのユーティリティクラスを活用して、すぐに実務で使える完成度の高いUIを素早く構築できるのが特徴です。

Tailwind UIは、Radix UIやReact Ariaのような「挙動・アクセシビリティを抽象化するライブラリ」ではなく、見た目とレイアウトに強くフォーカスしたUIリソースです。コンポーネントは基本的に静的で、複雑なロジックや状態管理は含まれていません。その代わり、デザインの品質が非常に高く、マーケティングサイト、管理画面、SaaSのUIなど、幅広い用途に対応したセクション・パターンが揃っています。

提供形式も特徴的で、npmパッケージとして依存するのではなく、コードをコピー&ペーストして自分のプロジェクトに取り込むスタイルです。そのため、導入後は自由にカスタマイズでき、Tailwind CSSの理解を深める教材としても活用できます。Tailwind UIは「UIライブラリ」というより、Tailwind CSSのベストプラクティス集・デザインリファレンスとして位置づけると分かりやすいでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Tailwind UIが向いているのは、短期間で見た目の整ったUIを作りたいプロジェクトです。LP、コーポレートサイト、SaaSの初期UI、管理画面など、デザインにかける時間を最小限にしたい場面で特に力を発揮します。また、Tailwind CSSを学びながら実践的なUIを作りたい開発者にも適しています。一方で、アクセシビリティや複雑な挙動を自動で担保してくれるわけではないため、高度なUIロジックが必要な場合は、他のHeadless UI系ライブラリと組み合わせて使う前提の選択肢と言えるでしょう。

Flowbite

Flowbiteとは
Flowbite 公式サイト

https://flowbite.com/

Flowbite は、Tailwind CSSをベースにしたUIコンポーネントライブラリで、HTMLコンポーネントからReact・Vue向けコンポーネントまで幅広く提供しています。ボタン、ナビゲーション、モーダル、ドロップダウン、テーブル、フォームなど、Web制作で頻出するUIが最初から揃っており、「すぐに使える実装済みUI」 を重視した設計が特徴です。

Flowbiteの大きな強みは、Tailwind CSS初心者でも扱いやすい点です。公式ドキュメントにはHTML構造とTailwindクラスが明確に示されており、コピー&ペーストするだけで画面が完成します。また、JavaScriptによる基本的なインタラクション(モーダルの開閉、ドロップダウンの切り替えなど)も用意されており、UIロジックを一から書かなくても最低限の動作を実現できます。

一方で、Radix UIやReact AriaのようなHeadless UIではなく、スタイルと構造がセットになった「完成形UI」寄りのライブラリです。アクセシビリティ対応も一定考慮されていますが、挙動やフォーカス管理を厳密に抽象化しているわけではありません。その分、学習コストが低く、静的サイトや管理画面、ダッシュボードなどを素早く作りたい場面で高い生産性を発揮します。Flowbiteは、Tailwind CSSエコシステムにおける実用重視のUIキットと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Flowbiteが向いているのは、スピード重視でUIを構築したいWebサイトやアプリケーションです。LP、コーポレートサイト、管理画面、社内ツールなど、複雑なカスタム挙動よりも「見た目が整ったUIをすぐに用意したい」ケースに適しています。また、Tailwind CSSを使い始めたばかりの開発者や、デザインに時間をかけられないプロジェクトにも相性が良いです。一方で、独自デザインシステムや高度なアクセシビリティ要件がある場合は、Headless UI系ライブラリと併用、または別選択肢を検討する前提になるでしょう。

DaisyUI

DaisyUIとは
DaisyUI 公式サイト

https://daisyui.com/

daisyUI は、Tailwind CSSを拡張するプラグインとして提供されるUIコンポーネント集です。一般的なUIライブラリのようにReactやVueのコンポーネントを提供するのではなく、意味的(セマンティック)に命名されたCSSクラス群を追加することで、UI構築を高速化する点が最大の特徴です。 Tailwind CSSが低レベルなユーティリティ(padding、color、flexなど)を提供するのに対し、daisyUIはbtncardalerttoggleといったUIパーツ単位の高レベルクラスを提供します。

導入方法は非常にシンプルで、npmでdaisyUIをインストールし、Tailwind CSSのpluginとして追加するだけです。これにより、通常のTailwindクラスと同じ感覚でdaisyUIのクラスを使えるようになります。内部的にはTailwindのComponent APIを利用しており、Tailwind CSSとの互換性も高く、ユーティリティクラスとの併用も前提とされています。

また、daisyUIはテーマ機能を標準搭載しており、ダークモードや複数テーマをほぼ設定なしで切り替えられる点も魅力です。Tailwind CSSの柔軟性を保ちつつ、「毎回ボタンやカードのデザインを考える手間」を大きく減らしてくれるため、Bootstrap的な開発体験を、Tailwind流に再構築した存在と捉えると分かりやすいでしょう。

向いているケース・プロジェクト

daisyUIが向いているのは、開発スピードとコードの読みやすさを重視するプロジェクトです。個人開発、スタートアップ、管理画面、LP制作など、「まず動くUIを素早く作りたい」ケースに特に適しています。また、Tailwind CSSのクラスが増えすぎて可読性や保守性に悩んでいる場合にも有効です。一方で、UIロジックやアクセシビリティを強く抽象化するライブラリではないため、複雑なインタラクションが必要な場合は、Headless UI系と組み合わせて使う前提の選択肢と言えるでしょう。

HyperUI

HyperUIとは
HyperUI 公式サイト

https://www.hyperui.dev/

HyperUI は、Tailwind CSS向けに用意された無料のコピー&ペースト型UIコンポーネント集です。npmでのインストールや設定は一切不要で、公式サイトから必要なHTML(+Tailwindクラス)をそのまま貼り付けるだけで使える、非常に手軽なUIリソースとして提供されています。マーケティングページから管理画面まで、実務でよく使われるレイアウトやUIパーツが揃っているのが特徴です。

HyperUIは、ReactやVueなどのフレームワークに依存せず、純粋にTailwind CSSのクラス設計にフォーカスしています。そのため、静的HTMLサイト、HugoやAstroなどのSSG、Next.jsやNuxtのテンプレート作成など、幅広い用途で活用できます。UIコンポーネントは完成度の高い見た目を持ちつつ、過度な抽象化はされていないため、Tailwindクラスを直接編集して簡単にカスタマイズできます。

一方で、HyperUIはRadix UIやReact Ariaのように、アクセシビリティや挙動をロジックとして担保するライブラリではありません。あくまで「見た目とレイアウトを素早く整えるためのUIスニペット集」という立ち位置です。その分、学習コストが低く、「今すぐUIを作りたい」場面で強い即効性を発揮します。

向いているケース・プロジェクト

HyperUIが向いているのは、とにかく早く見た目を整えたいプロジェクトです。LP、コーポレートサイト、ブログ、管理画面の初期デザインなど、「まずは形にする」段階で特に役立ちます。また、HugoやAstroなどの静的サイトと相性が良く、Reactコンポーネントを導入したくないケースにも適しています。一方で、複雑なUIロジックや厳密なアクセシビリティ要件がある場合は、Headless UI系ライブラリと併用する前提の、デザイン補助ツールとして使うのが現実的でしょう。

Preline

Prelineとは
Preline 公式サイト

https://preline.co/

Preline UIは、Tailwind CSSをベースにしたオープンソースのUIコンポーネントライブラリです。ボタンやフォーム、ナビゲーション、モーダルといった基本的なUIから、ダッシュボードやランディングページ向けのブロック・テンプレートまで、非常に幅広いUI素材を提供している点が大きな特徴です。単なるコンポーネント集にとどまらず、Examples、Templates、HeadlessなJSプラグイン、さらにはFigmaデザインシステムまで含んだ、総合的なUI基盤として設計されています。

Preline UIの思想は、Tailwind CSSの「utility-first」をそのまま活かすことにあります。独自のAPIや特殊な命名規則を導入せず、すべて標準的なTailwindクラスで構成されているため、Tailwindに慣れている開発者であれば新しい学習コストはほとんどありません。コードはコピー&ペーストで利用でき、必要に応じてユーティリティクラスを直接編集するだけで柔軟にカスタマイズできます。

また、アクセシビリティやレスポンシブ対応、ダークモードなども考慮された設計になっており、UI品質のベースラインを自然に引き上げてくれます。Figmaデザインシステムが用意されている点も特徴で、デザインと実装の乖離を減らし、チーム開発をスムーズにする役割も果たします。Preline UIは、Tailwind CSSエコシステムにおける「実用性と網羅性を重視したUIキット」と言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Preline UIが向いているのは、短期間で多くの画面やUIパターンを必要とするプロジェクトです。スタートアップのMVP開発、管理画面、企業サイト、SaaSの初期構築など、「UIを一から作る余裕がないが、品質は落としたくない」ケースに適しています。また、Figmaを使ったデザイン工程があるチームにとっては、デザインと実装を共通言語で進められる点も大きなメリットです。一方で、UIロジックを厳密に抽象化するHeadless UIではないため、複雑なインタラクションは別ライブラリと組み合わせる前提で使うと効果的でしょう。

Mamba UI

Mamba UIとは
Mamba UI 公式サイト

https://mambaui.com/

Mamba UI は、Tailwind CSSをベースにした無料のコピー&ペースト型UIコンポーネント集です。開発者だけでなくデザイナーや非エンジニアも対象としており、「デザインスキルがなくても、見た目の整ったUIを素早く作れる」ことを強く意識して設計されています。ブログ、ポートフォリオ、ECサイト、ランディングページなど、汎用性の高いレイアウトやUIパーツが数多く用意されています。

Mamba UIの特徴は、導入の手軽さと敷居の低さです。npmでのインストールや設定は不要で、公式サイトからHTML(Tailwindクラス付き)をコピーして貼り付けるだけで利用できます。150以上のビルディングブロックが無料で提供されており、「必要なUIを探して組み合わせる」だけで、ページ全体を構築できるのが魅力です。

また、すべてのコンポーネントはモジュール化されており、Tailwind CSSのユーティリティクラスを直接編集することで簡単にカスタマイズできます。Headless UIやReact専用ライブラリのように高度なロジックや抽象化は行わず、見た目とレイアウトを最短距離で整えることにフォーカスしています。そのため、学習コストが非常に低く、「とにかく早く形にしたい」フェーズで力を発揮するUIキットと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Mamba UIが向いているのは、スピード重視でUIを構築したい個人開発や小規模プロジェクトです。ブログ、ポートフォリオ、LP、簡単なWebサービスなど、「デザインに時間をかけず、すぐ公開したい」ケースに最適です。また、HugoやAstroなどの静的サイト、あるいはTailwind CSSを使ったテンプレート制作とも相性が良いです。一方で、複雑なインタラクションや厳密なアクセシビリティ要件がある場合は不向きなため、UIデザインの土台や初期スケルトンとして活用するのが現実的でしょう。

TailGrids

TailGridsとは
TailGrids 公式サイト

https://tailgrids.com/

TailGridsは、Tailwind CSSをベースにした大規模なUIコンポーネント・テンプレートライブラリです。600以上のUIコンポーネントと、15以上の完成度の高いテンプレートが用意されており、WebサイトやWebアプリケーションをゼロから設計・実装せずに素早く構築できることを目的としています。

TailGridsの特徴は、その網羅性と実務向けの完成度にあります。ボタンやフォーム、ナビゲーションといった基本パーツはもちろん、ヒーローセクション、価格表、CTA、ダッシュボード用レイアウト、EC向けUIなど、実際のプロジェクトで頻出するブロックが一通り揃っています。HTMLだけでなく、React・Vue向けのコードやFigmaデザインにも対応しており、デザインから実装までを一貫して進めやすい構成になっています。

また、すべてのコンポーネントがダークモードに対応している点も大きな強みです。コードはコピー&ペーストで利用でき、Tailwind CSSの標準ユーティリティで構成されているため、特別なAPIや独自ルールを覚える必要はありません。TailGridsは、Headless UIのように挙動やロジックを抽象化するライブラリではなく、「完成されたUIを効率よく組み立てるための実践的なUIキット」として位置づけられます。

向いているケース・プロジェクト

TailGridsが向いているのは、短期間で多くのページやUIを必要とするプロジェクトです。企業サイト、マーケティングサイト、SaaSのLPや管理画面、ECサイトなど、「UIを一から考える余裕がないが、一定以上の品質は確保したい」ケースに特に適しています。また、HTML/React/Vue/Figmaを横断して使えるため、デザイナーと開発者が協業するチームにも相性が良いです。一方で、複雑なUIロジックや高度なアクセシビリティ制御が必要な場合は、Headless UI系ライブラリと組み合わせて使う前提のUI土台として活用すると効果的でしょう。

FlyonUI

FlyonUIとは
FlyonUI 公式サイト

https://flyonui.com/

FlyonUI は、セマンティックなCSSクラスによる見た目の分かりやすさと、HeadlessなJavaScriptプラグインによるインタラクションを組み合わせた、Tailwind CSS向けのUIツールキットです。Tailwind CSS単体ではクラスが増えがちで可読性が下がり、daisyUIではJavaScriptを伴う高度な挙動(アコーディオン、オーバーレイ、ドロップダウン等)が不足しがち、という課題を解決するために設計されています。

内部的には、Tailwind CSSのユーティリティ思想を土台に、daisyUIのセマンティッククラスと、Preline由来のHeadlessかつアクセシブルなJavaScriptプラグインの強みを活用しています。これにより、HTMLは読みやすく、挙動は拡張性が高く、かつデザインの自由度を損なわない構成を実現しています。FlyonUIはNPMパッケージとして導入し、Tailwindのpluginとして有効化するだけで使えるため、既存のTailwindプロジェクトにもスムーズに統合できます。

800以上の無料コンポーネントや例、テーマ機能、レスポンシブ・RTL対応、そしてApexChartsやFullCalendarなどの外部ライブラリ連携まで視野に入れている点も特徴です。FlyonUIは、「Tailwindの速度と柔軟性を保ちつつ、実用的なインタラクションを簡単に追加したい」というニーズに応える、実務志向のUI基盤と言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

FlyonUIが向いているのは、Tailwind CSSを使いながら、セマンティックで保守しやすいHTMLと、実用的なインタラクションを同時に求めるプロジェクトです。管理画面、ダッシュボード、Webアプリ、SaaSなど、UIの数が多く成長していくプロダクトに特に適しています。また、React・Vueなどフレームワークを問わずTailwindを軸に開発したいチームにも相性が良いです。一方で、UIをすべて自作したい場合より、スピードと拡張性のバランスを重視するチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

Material Tailwind

Material Tailwindとは
Material Tailwind 公式サイト

https://www.material-tailwind.com/

Material Tailwindは、Tailwind CSSとReactを組み合わせて構築されたオープンソースのUIコンポーネントライブラリです。最大の特徴は、GoogleのMaterial Designにインスパイアされた洗練されたビジュアルを、Tailwind CSSのユーティリティ設計の上にうまく融合させている点にあります。見た目の完成度が高く、「デザインされたUI」をすぐに使えることを強く意識したライブラリです。

Material Tailwindはnpmパッケージとして提供されており、React向けコンポーネント(@material-tailwind/react)を中心に、HTML版(@material-tailwind/html)も展開されています。ボタン、カード、フォーム、ナビゲーション、モーダル、テーブルなど、Webアプリで頻繁に使われるUIが一通り揃っており、最小限の設定でリッチなUIを構築できるのが魅力です。

内部ではTailwind CSSをスタイルエンジンとして利用しているため、既存のTailwindプロジェクトにも自然に統合できます。また、React / Next.js / Vite / Remix / Astro / Gatsby など、主要なフロントエンド環境との統合が想定されており、導入ガイドも比較的充実しています。Headless UIのように挙動を完全に分離する思想ではなく、「ロジック+スタイルがセットになった完成形UI」 を提供する、実用重視のUIライブラリと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Material Tailwindが向いているのは、見た目の美しさと開発スピードを重視したReactプロジェクトです。スタートアップのWebサービス、管理画面、ダッシュボード、LPなど、「まずは完成度の高いUIを素早く用意したい」場面に特に適しています。Material Designベースのため、UIに一貫性を持たせやすく、デザインに迷いにくいのも利点です。一方で、デザインをゼロから定義したい場合や、挙動を細かく制御したい場合より、完成度の高いUIを土台に開発を進めたいチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

④ フルUIフレームワーク(B2B・業務向け)

デザイン + コンポーネント + ルール

Material UI

MUIとは
MUI 公式サイト

https://mui.com/material-ui/

Material UI (現在は MUI とも呼ばれる)は、GoogleのMaterial Designを実装した、React向けのオープンソースUIコンポーネントライブラリです。2014年から開発が続く非常に歴史のあるプロジェクトで、Reactエコシステムの中でも最大級のユーザー数とコミュニティを誇ります。最大の特徴は、本番環境でそのまま使える完成度の高いUIコンポーネントが最初から揃っている点です。

Material UIには、ボタン、フォーム、テーブル、モーダル、ナビゲーション、データ表示コンポーネントなど、Webアプリケーションに必要なUIが網羅的に含まれています。すべてがMaterial Designの思想に基づいて設計されており、見た目・操作性・一貫性が高いのが特徴です。「UIを一から設計する」必要がなく、導入した瞬間から統一感のあるインターフェースを構築できます。

また、Material UIはカスタマイズ性にも力を入れています。テーマ機能やスタイルAPIが充実しており、Material Designをベースにしつつ、色・余白・コンポーネント挙動を調整して独自のデザインシステムを構築することも可能です。長年にわたって2,500人以上のコントリビューターに支えられてきた実績があり、ドキュメントやStack Overflowなどの情報量が非常に豊富な点も、大きな安心材料と言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Material UIが向いているのは、安定性・信頼性・実績を重視するReactプロジェクトです。業務アプリ、管理画面、大規模Webサービス、チーム人数の多い開発現場など、「UIで失敗したくない」ケースに特に適しています。Material Designに基づくため、デザインの意思決定が早く、非フロントエンドエンジニアやデザイナーとの協業もしやすいのが強みです。一方で、見た目の自由度や軽量性を最優先したい場合より、堅牢で長期運用に耐えるUI基盤を求めるチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

Ant Design

Ant Designとは
Ant Design 公式サイト

https://ant.design/

Ant Design は、エンタープライズ向けWebアプリケーションを主眼に設計された、React向けのオープンソースUIコンポーネントライブラリです。「デザイナーと開発者が、より柔軟に、より快適に美しいプロダクトを作る」ことを理念としており、実務で必要とされるUI要件を高い完成度で満たします。フォーム、テーブル、モーダル、通知、ナビゲーションなど、業務アプリで頻出するコンポーネントが網羅的に揃っており、導入直後から本番品質のUIを構築できる点が大きな強みです。

Ant Designはテーマカスタマイズにも力を入れており、最新版(v6)ではCSS Variablesを積極的に採用することで、CSSサイズの削減やパフォーマンス改善を実現しています。IE互換性の制約から解放されたことで、モダンなReact環境に最適化された設計へと進化しています。また、デザインガイドラインとコンポーネント実装が強く結びついているため、UIの一貫性と操作性を高いレベルで維持しやすいのも特徴です。

さらに、Ant Designは中国を中心に世界中で広く採用されており、ドキュメント、サンプル、周辺エコシステムも非常に充実しています。Ant Design Xのように、Markdown・PC・モバイル・SDKを分離した新構想も進められており、AI時代を見据えたUI基盤としての進化も続いています。

向いているケース・プロジェクト

Ant Designが向いているのは、管理画面・業務システム・BtoB向けWebアプリケーションなど、情報量が多く複雑なUIを扱うプロジェクトです。フォームやテーブル中心の画面構成でも破綻しにくく、チーム開発においてもUIの統一が図りやすい点が魅力です。一方で、強いデザイン思想を持つため、自由度の高いビジュアル表現を最優先したい場合より、堅牢性・拡張性・長期運用を重視するチーム向けのUIライブラリと言えるでしょう。

Chakra UI

Chakra UIとは
Chakra UI 公式サイト

https://chakra-ui.com

Chakra UI は、アクセシビリティと開発スピードを重視して設計された、React向けのUIコンポーネントシステムです。「素早く、高品質なプロダクトを作る」ことを明確な目的としており、ボタンやフォーム、モーダル、レイアウトコンポーネントなど、実務で必要なUIが一通り揃っています。すべてのコンポーネントはWAI-ARIAを意識して設計されており、最初からアクセシブルなUIを構築できる点が大きな特徴です。

Chakra UIは、Headless UIのようにロジックとスタイルを完全に分離するのではなく、「適度にスタイルされた完成形コンポーネント」を提供します。デフォルトの見た目はシンプルで実用的ですが、テーマ機能が非常に強力で、色・フォント・余白・コンポーネントバリアントを一元管理できます。そのため、Chakra UIを土台にして独自のデザインシステムを構築することも容易です。

また、Chakra UIはpropsベースのAPIが直感的で、CSSを直接書かなくてもレイアウトやスタイル調整が可能です。StackFlex といったレイアウトコンポーネントにより、UI構築の思考が「CSS」ではなく「構造」に集中しやすくなっています。近年はNext.jsのRSC(React Server Components)にも対応し、モダンなReact開発環境との親和性も高まっています。

向いているケース・プロジェクト

Chakra UIが向いているのは、React / Next.jsでスピード感を持って開発したいプロジェクトです。スタートアップのプロダクト、SaaS、管理画面、社内ツールなど、「早く作りつつ、品質も落としたくない」ケースに特に適しています。また、アクセシビリティを標準で担保したいチームや、CSSの細かい実装に時間をかけたくない開発者にも向いています。一方で、Tailwind CSSのように低レベルなスタイリングを細かく制御したい場合より、設計されたUIコンポーネントを活用して生産性を最大化したいチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

Mantine

Mantineとは
Mantine 公式サイト

https://mantine.dev/

Mantine は、高品質でアクセシブルなReact向けUIコンポーネントとHooksを包括的に提供するUIフレームワークです。120以上のコンポーネントと70以上のHooksを備え、フォーム、日付ピッカー、通知、モーダル、セレクトなど、実務で頻出する要件を一通りカバーしています。最大の特徴は、UIコンポーネントとロジック(Hooks)が同一エコシステムで整備されている点で、複雑なアプリケーションでも一貫した設計で開発を進められます。

Mantineはアクセシビリティを重視して設計されており、キーボード操作やフォーカス管理、ARIA属性などが適切に実装されています。スタイリングはCSS-in-JS(Emotion)を基盤とし、テーマ機能が非常に強力です。色、タイポグラフィ、スペーシング、コンポーネントのバリアントを中央集権的に管理でき、デフォルトの美しさを保ちながら、細かなカスタマイズも容易です。

また、MantineはドキュメントとDX(開発者体験)の評価が高く、APIが直感的で学習コストが低いのも魅力です。Next.jsなどのモダンなReact環境とも相性が良く、「完成度の高い部品を使って、速く、正しく作る」という目的に適した、実用性重視のUIフレームワークと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Mantineが向いているのは、中〜大規模のReactアプリケーションやSaaS、管理画面など、UIの種類とロジックが多いプロジェクトです。フォームや日付処理、通知などを一貫したAPIで実装できるため、開発効率と保守性を両立できます。また、Tailwindのようにクラス設計を管理したくないチームや、Hooksベースでロジックを整理したい開発者にも適しています。一方で、CSSを極限まで軽量化したい場合より、DXと機能網羅性を重視するチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

Semantic UI

Semantic UIとは
Semantic UI 公式サイト

https://semantic-ui.com/

Semantic UIは、人間が読んで理解しやすいHTML構造を重視して設計されたUIフレームワークです。最大の特徴はその名前の通り「セマンティック(意味的)」なクラス設計にあり、ui buttonui three buttons のように、自然言語に近い表現でUIを記述できる点が大きな魅力です。BEMやSMACSSと同様に構造化されたCSS設計を実現しつつ、冗長さを抑え、直感的に使えることを目指しています。

Semantic UIは、CSSだけでなくJavaScriptによる「behavior(振る舞い)」の概念も提供します。モーダル、ドロップダウン、タブなどのUI挙動は、シンプルな設定と命名で制御でき、複雑な実装を意識せずにインタラクティブなUIを構築できます。また、Gulpベースのビルドツールが用意されており、テーマをカスタマイズしつつ、自分のプロジェクト専用のビルドを維持できる仕組みも特徴です。

一方で、Semantic UIは比較的歴史のあるフレームワークであり、設計思想はBootstrap世代に近い部分もあります。React向けにはSemantic UI Reactというラッパーも存在しますが、近年主流となっているHeadless UIやTailwind CSSとは思想が異なります。そのため、Semantic UIは「低レベルなCSS制御」よりも、読みやすく分かりやすいHTMLでUIを組み立てたい開発者に向いたフレームワークと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Semantic UIが向いているのは、HTMLの可読性や直感的なクラス設計を重視したプロジェクトです。プロトタイプ制作、学習用途、小〜中規模のWebサイトや管理画面など、「UIの意味がコードから一目で分かる」ことを重視したい場面に適しています。また、CSS設計にあまり時間をかけたくないチームや、Bootstrap的な開発体験に慣れている開発者にも馴染みやすいです。一方で、最新のHeadless UI思想やTailwind中心の開発を求める場合より、分かりやすさと完成形重視のUIフレームワークとして選ぶのが現実的でしょう。

Fluent UI

https://developer.microsoft.com/en-us/fluentui#/

Fluent UIは、Microsoftが提供する、クロスプラットフォーム向けのUXフレームワーク群です。WindowsやMicrosoft 365、Teamsなどで採用されているFluent Design Systemをベースにしており、Web・デスクトップ・モバイルといった複数プラットフォーム間で、デザイン・挙動・アクセシビリティを一貫させることを目的としています。

Fluent UIは単一のライブラリではなく、用途や技術スタックに応じて複数の実装が用意されています。代表的なものとして、React向けの Fluent UI React、Web Components向けの Fluent UI Web Components、さらにはiOS・Android・Windows向けの実装も存在します。これにより、「1つのデザイン思想を軸に、複数の環境でUIを展開する」ことが可能になります。

コンポーネントはボタン、フォーム、テーブル、ナビゲーション、ダイアログなど業務アプリ向けUIが中心で、アクセシビリティとキーボード操作が最初から強く意識されている点が大きな特徴です。また、テーマやトークンベースの設計により、ブランドカラーやスタイルを一括管理しやすく、大規模組織での利用にも耐えうる構成になっています。Fluent UIは、見た目の派手さよりも、一貫性・信頼性・長期運用を重視したUI基盤と言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Fluent UIが向いているのは、エンタープライズ向けWebアプリや社内ツール、大規模プロダクトです。特にMicrosoft製品との親和性が高く、Microsoft 365やTeams連携アプリ、業務システムなどでは自然なUI体験を提供できます。また、複数プラットフォームでUIの共通化を図りたいチームにも適しています。一方で、自由度の高いデザインや軽量なUIを求める場合より、統一感・アクセシビリティ・組織開発を重視するケース向けのフレームワークと言えるでしょう。

Carbon Design System

https://carbondesignsystem.com/

Carbon Design System は、IBMが提供するオープンソースのデザインシステムで、IBM Design Languageを基盤に、実装コード・デザインツール・ガイドライン・コミュニティを一体として提供します。単なるUIコンポーネント集ではなく、プロダクト全体の体験品質を揃えるための“設計思想と実装の総体”である点が最大の特徴です。

Carbonは、ボタンやフォーム、テーブルといった基本コンポーネントに加え、情報密度の高いレイアウトやデータ表示、アクセシビリティ要件を厳密に満たす挙動まで、エンタープライズ用途を前提に洗練されています。Reactなどのフレームワーク向け実装が用意され、デザイントークンやテーマの概念により、ブランドや製品群を横断した一貫性を保ちやすい設計です。また、アクセシビリティ(WCAG準拠)や国際化を重視し、ガイドラインとコードが密接に連動しています。

さらに、Figma等のデザインリソース、詳細なHIG(Human Interface Guidelines)、運用ノウハウが公開されており、デザインと開発の分断を減らすことに注力しています。Carbonは、スピード最優先のUIキットというより、長期運用・大規模展開を見据えた堅牢な設計基盤として位置づけられます。

向いているケース・プロジェクト

Carbon Design Systemが向いているのは、エンタープライズ向けSaaS、業務アプリ、複数チーム・複数製品を横断するプロダクト群です。厳格なアクセシビリティ、情報量の多い画面、長期保守を前提とする組織に適しています。一方で、軽量なLPや短期のプロトタイプにはやや過剰な場合もあります。一貫性・信頼性・スケールを最優先するチームにとって、有力なデザインシステムと言えるでしょう。

⑤ デザインシステム(思想・ルール重視)

UIそのものより「設計思想」

Material Design

Material Designとは
Material Design 公式サイト

https://m3.material.io/

Material Design は、Googleが提唱・提供するオープンソースのデザインシステムで、現在の最新版は Material Design 3(Material You) です。Web、モバイル、デスクトップなどプラットフォームを問わず、美しさ・使いやすさ・一貫性を両立したプロダクト体験を実現することを目的としています。単なるUIスタイル集ではなく、色・タイポグラフィ・レイアウト・モーション・インタラクションまで含めた包括的な設計指針です。

Material Design 3では、「パーソナライズ」と「アクセシビリティ」が特に重視されています。動的カラー(Dynamic Color)により、ユーザーやブランドに合わせた配色が可能になり、同時にコントラストや可読性といったアクセシビリティ要件も体系的に考慮されています。また、コンポーネント設計は状態遷移やフィードバックを明確に定義しており、ユーザーが操作の結果を直感的に理解できるUIを実現します。

Material Design自体は実装ライブラリではありませんが、その思想を具体化した実装として Material UI(MUI)Material Tailwind、Android向けの Material Components などが存在します。これらを通じて、デザインガイドラインと実装を橋渡しできる点も大きな強みです。Material Designは、UIを感覚ではなく原則で設計したいチームにとって、非常に強力な共通言語となります。

向いているケース・プロジェクト

Material Designが向いているのは、複数人・複数プロダクトでUIの一貫性を保ちたいプロジェクトです。Webアプリ、モバイルアプリ、業務システム、グローバル向けサービスなど、スケールするプロダクトに適しています。また、UI設計の判断基準を明文化したいチームや、アクセシビリティを標準で担保したいケースにも有効です。一方で、強い独自ビジュアルを最優先したい場合より、体系化されたデザイン原則を土台に開発したいプロジェクト向けのデザインシステムと言えるでしょう。

Polaris

https://polarisui.com/

Polaris は、シンプルさと実用性を重視して設計されたフロントエンド向けUIフレームワークです。レスポンシブなUIコンポーネントを効率よく構築することを目的としており、複雑な設計思想や過剰な抽象化よりも、「必要なものを、分かりやすく使える」ことにフォーカスしています。

Polarisは大きく CorePlugins の2つに分かれています。Polaris Coreには、ボタン、フォーム、レイアウト、ナビゲーションなど、ほぼすべてのWebアプリで共通して必要となる汎用コンポーネントが含まれています。一方、Polaris Pluginsは、特定のユースケースや機能要件に対応するための拡張コンポーネント群で、プロジェクトの性質に応じて必要なものだけを追加できます。この構成により、UIを必要以上に肥大化させず、段階的に機能を拡張できるのが特徴です。

また、Polarisはフレームワーク全体として「理解しやすさ」を重視しており、クラス構造やコンポーネントの役割が直感的に把握できる設計になっています。Headless UIやデザインシステム指向のライブラリと比べると抽象度は低めですが、その分、学習コストが低く、すぐに使い始められるUI基盤として位置づけられます。

向いているケース・プロジェクト

Polarisが向いているのは、シンプルなWebアプリや中小規模プロジェクトです。管理画面、社内ツール、業務用ダッシュボードなど、「必要十分なUIを素早く整えたい」ケースに適しています。また、UIフレームワークの思想や設定に深く入り込まず、直感的に使いたい開発者にも向いています。一方で、大規模なデザインシステム構築や高度なアクセシビリティ要件がある場合より、軽量で分かりやすいUIフレームワークを求めるプロジェクト向けの選択肢と言えるでしょう。

Spectrum

Spectrumとは
Spectrum 公式サイト

https://ui.spectrumhq.in/

Spectrum UI は、美しくデザインされたUIコンポーネントを、コピー&ペーストで利用できるオープンソースのUIコレクションです。内部的には Aceternity UI・shadcn/ui・MAGIC UI といったモダンなUIスタックをベースに構成されており、視覚的なインパクトと実用性の両立を重視しています。npmで依存関係を追加する従来型のUIライブラリとは異なり、完成されたコンポーネントのコードを直接プロジェクトに取り込むスタイルが特徴です。

Spectrum UIに含まれるコンポーネントは、アニメーションやモダンな表現を取り入れつつも、アクセシビリティとカスタマイズ性が考慮されています。Tailwind CSSやReactを前提とした構成が多く、既存のshadcn/uiベースのプロジェクトや、デザイン性を重視したLP・Webアプリと親和性が高い設計です。コードはブラックボックス化されておらず、そのまま編集・拡張できる「Open Code」思想に近いアプローチを採用しています。

また、Spectrum UIは「UIライブラリ」というより、実践的なUIパターン集・デザインリソース集に近い位置づけです。細かなAPI設計や抽象化よりも、「すぐ使える」「見た目が良い」「そのまま改造できる」ことを重視しており、プロトタイピングやデザイン主導の開発フローに向いています。

向いているケース・プロジェクト

Spectrum UIが向いているのは、デザイン性を重視したWebサイトやプロダクト、LP、デモアプリです。特に、shadcn/uiやTailwind CSSを使ったプロジェクトで、UI表現を一段引き上げたい場合に効果的です。npm依存を増やしたくない場合や、コードを完全に把握・管理したい開発者にも向いています。一方で、厳密なデザインシステム構築や大規模な業務アプリより、スピード感とビジュアル訴求を重視する開発向けのUIコレクションと言えるでしょう。

Lightning Design System

Lightning Design Systemとは
Lightning Design System 公式サイト

https://www.lightningdesignsystem.com/

Lightning Design System(SLDS)は、Salesforceが提供するオープンソースのデザインシステムで、Salesforce製品およびエコシステム全体で一貫したUI/UXを実現することを目的に設計されています。単なるUIコンポーネント集ではなく、デザイン原則・CSS設計・コンポーネント仕様・アクセシビリティガイドラインを包括的にまとめた、エンタープライズ向けの設計基盤です。

最新世代である SLDS 2 では、CSSカスタムプロパティ(CSS Variables)を中核に据えた新アーキテクチャが採用されています。これにより、テーマ変更やデザイン拡張が容易になり、既存プロダクトからの移行や検証も行いやすくなっています。また、「Pro-code control, no-code design」という思想の通り、コードによる細かな制御と、デザイナー主導のUI設計の両立を強く意識した構成になっています。

SLDSは特にアクセシビリティを重視しており、ARIA属性、フォーカス管理、キーボード操作などが設計段階から組み込まれています。さらに、近年は生成AI時代を見据え、動的で文脈依存なUI(Generative AI UI)への対応も進められており、会話型UIや複雑な状態変化を伴うインターフェースにも適応できる設計へと進化しています。Lightning Design Systemは、Salesforceを中心とした大規模プロダクト群を支えるための、堅牢で将来志向のデザインシステムと言えるでしょう。

向いているケース・プロジェクト

Lightning Design Systemが向いているのは、Salesforce上で動作するアプリケーションや、Salesforce連携を前提とした業務システムです。特に、複数チーム・複数プロダクトでUIの一貫性とアクセシビリティを厳密に保つ必要があるエンタープライズ環境に適しています。また、ローコード/ノーコードとプロコードが混在する開発体制にも相性が良いです。一方で、自由なビジュアル表現を最優先するLPや小規模サイトより、長期運用・拡張性・組織開発を重視するプロジェクト向けのデザインシステムと言えるでしょう。

Atlaskit

https://atlaskit.atlassian.com/

Atlaskit は、Atlassian(Jira・Confluence・Bitbucket など)製品群で実際に使われているUIコンポーネントを公開した、React向けUIライブラリ/デザインシステムです。Atlassian Design Systemを基盤としており、単なる見た目のコンポーネント集ではなく、大規模プロダクトで実証されたUI・UX・アクセシビリティの実装が特徴です。

Atlaskitは、ボタンやフォームといった基本的なUIだけでなく、テーブル、ナビゲーション、ドロップダウン、モーダル、エディタ関連など、業務アプリやコラボレーションツールで必要とされる高度なUIコンポーネントを多数含んでいます。これらはAtlassian製品で日常的に使われているため、情報量が多く複雑な画面構成でも破綻しにくい設計になっています。

スタイリングや挙動はAtlassian Design Guidelinesに沿って統一されており、アクセシビリティやキーボード操作、フォーカス管理なども強く意識されています。一方で、Tailwind CSSやHeadless UIのような「自由度の高いUI構築」よりも、Atlassian流の完成されたUIパターンを再利用する思想が強いのも特徴です。そのため、デザインの自由度はやや制限される代わりに、一貫性・安定性・実務適性が非常に高いUI基盤となっています。

向いているケース・プロジェクト

Atlaskitが向いているのは、業務アプリ、管理画面、社内ツール、BtoB向けWebアプリケーションです。特に、情報密度が高く、ユーザーが長時間操作するUIに強みがあります。また、JiraやConfluenceに近い操作感・UI思想を活かしたい場合には最適です。一方で、強いブランド表現や独自ビジュアルを前面に出したいプロジェクトより、実績あるUIパターンを使って堅牢に作りたいチーム向けの選択肢と言えるでしょう。

ソース: https://blog.logrocket.com/exploring-shift-css-in-js-headless-ui-libraries/

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