カゴ落ち(Abandoned Cart)はオンラインストアで恐れられていることの一つです。UX、トラフィック、サポート体制など時間をかけてでも改善する必要がある部分であることは間違いありません。
海外のデータによると約7割の顧客がカゴ落ちします。言い換えると、半数以上の方がカートにアイテムを追加したとしても購入までにはつながらないということになります。
どんな製品がカゴ落ち?されるのか?
海外のデータによると、オンラインストアのカゴ落ちのデータが以下になります。カテゴリー別にわかれているのでみなさんのストアと比べていただければと思います。
衣類 | 40% |
テクノロジー、ガジェット | 18% |
家庭用品 | 16% |
ホスピタリティ(航空券、ホテル、ツアーなど) | 8% |
イベントチケット | 7% |
ジュエリー、アクセサリー | 6% |
食品 | 4% |
フィットネス系 | 2% |
すべてのカテゴリーが上記の表に載ってないかもしれません。ただ、ざっくりとどれくらいの顧客がカート放棄をするのかをわかっていただいたかと思います。
例えば、衣類の場合は、自分のストアにカート追加したとしても40%は別のお店に流れてしまうということになります。
オンラインストアの顧客がカゴ落ち?する理由 5個
先程はカゴ落ち率についてご説明しました。より多くの顧客をサイト内にとどめておくようにするために、そもそもなぜ顧客はカートに商品を入れながらもサイトを去ってしまうのかと知る必要があります。
Statistaによると、オンライン買い物客が購入せずにカートを放棄する理由の上位5つは次のとおりです。
- 回答者の63%は、送料が高いために購入を断念する可能性が高いと述べています。
- 買い物客の46%は、割引コードが機能しないためにカートを離れました。
- オンライン買い物客の36%は、注文の発送に時間がかかりすぎると感じたため、取引から離れます。
- 顧客の30%は、クレジットカード情報を再入力する必要がある場合、ショッピングカートで商品を購入することを避けると主張しています。
- 顧客の25%は、配送情報を再入力する必要があるため、ショッピングカートを放棄します。
Shopifyのカートページやチェックアウトページは長年の経験からデザインされているので、基本的にはコンバージョン率が高いようになっています。ただし、上記のような要因で顧客がカゴ落ちしてしまうのが事実なので、上記の要因をケアすることでコンバージョン率を高めて売り上げを増やすことができます。
高い送料を避ける
原則として送料を無料にする必要があります。もしくは可能な限り送料は安くする必要があります。
昔から使われているプライシングの手法としては商品価格に送料を含めてしまうということです。これにより、送料無料のように見えるので、別途送料を請求するよりもお得感が伝わります。
顧客は最安値を求めていると同時にシンプルな価格体系を求めています。
みなさんもご経験があるかと思いますが、オンラインショッピングをする顧客は予算を念頭に置いて商品を探します。予算にマッチした商品を見つけてカートに入れた後に、「送料3000円」と表示されるほどイライラすることはありません。
上記の方法で商品価格に送料を含めた場合、複数の商品を購入する場合に割高に感じることもあります。なので、ここは送料と商品価格のバランスを見ながら設定していくことをお勧めします。もしくはよくある「○○円以上で送料無料」とすることで、しっかりと利益も取りつつ、顧客にはお得感を伝えることができます。Shopifyではこのような設定はアプリ不要でデフォルトの機能で行うことができます。
クーポン、ディスカウントを提供する
ディスカウント(割引)を提供することは、特に新規の方に注文してもらうために有効な方法です。クーポンコードを提供することはとても信頼できる方法ですが、もしそのクーポンコードが機能しないとカゴ落ちにつながってしまうので、しっかりと利用できるか確認してください。
Shopifyではデフォルトでクーポン機能がありますが、できればアプリを使って自動的にクーポンを発行したりできるようにするのがオススメです。
オススメなのは以下のようなアプリです。
配送時間
スムーズな配送はオンラインストアの最大の課題です。上記のデータが示すように、3分の1以上の顧客が「長く待ちたくない」と思っています。
ラッキーなことに、Shopifyでは配送(フルフィルメント)についての機能がしっかりとあります。ただ、国内の配送の追跡などもできるようにしっかりと設定しておく必要はあります。
カゴ落ち問題とは異なりますが、配送でミスがあったり商品到着が遅くなると否定的なレビューなどにつながるので配送についてはしっかりと設定しておきましょう。
チェックアウト(支払い)をできるだけシンプルに
最後にチェックアウトのフローを最適化してシンプルにする必要があります。シンプルかつ必要な情報を入力してもらえることが一番です。
- 登録またはログイン
- 配達および支払い情報の収集
- 注文詳細の確認
- 注文完了ボタン
↑この項目が必要最低限になります。Shopifyではデフォルトで上記の項目は用意されています。
登録・ログインのヒント
オンラインストアのチェックアウトページはできる限りシンプルにして、ユーザーが入力する必要がある作業を減らしてあげることが重要です。
例えば、Eメール一つでも入力することが面倒に感じる人もいるのでSNSアカウントでログイン・登録できるようにすることでコンバージョン率を上げることができます。
中にはゲストユーザーとして購入したい顧客もいるので、アカウント作成が必須ではありませんが、SNS
でアカウント作成できることは通常効率的な方法として利用されます。
Shopifyのカゴ落ち対策方法を確認する
Shopifyのためのカゴ落ちアプリはたくさんあります。また、上記のように多くの原因があることもわかりました。しかし、実際にみなさんのサイトで何が起こっているかを確認することが重要です。まずはみなさんのストアのデータを分析することから始めましょう。
ダッシュボードからShopifyの放棄されたカートデータを分析する
Shopify管理ダッシュボードから[注文]に移動します。ここから「カゴ落ち」を確認することができます。
Shopifyでは過去3か月のカゴ落ちデータを保存してくれるのでデータをしっかりと確認しましょう。
また、以下のようなデータも確認することができるので併せて確認することで何が原因かを知ることができます。
- チェックアウト番号
- 日時
- 顧客名
- メールステータス
- カゴ落ちの状況
- 注文金額
例えば、金額が高くなれば購入のハードルも高くなるので、カゴ落ち率が高くなるのも自然です。ただ合計金額が安いのにカゴ落ち率が高い場合は、何かしら改善すべき部分がある可能性が高いです。
カゴ落ち率の計算
カゴ落ち率を計算するためにはまず期間を指定して、その期間内の完了した注文の合計金額を計算します。次に、同じ期間内のカゴ落ちした合計金額も計算します。そして、指定した期間内のカゴ落ち合計金額をすべての注文の合計金額で割ります。
①期間内の「完了」した注文の合計金額
②期間内の「カゴ落ち」した注文の合計金額
③期間内の「すべての」注文の合計金額 (①+②)
カゴ落ち率 = ②÷③
例えば、過去2週間で 6,719ドルの注文があり、8,327ドルがかご落ちしていたとします。
そうすると計算式は カゴ落ち率=8,327ドル÷15,046ドル となります。
すると、カゴ落ち率が55.34%ということがわかります。
この数字は他のオンラインストアと比べる必要はありません。このカゴ落ち率の使い方は、これから対策していく中で過去と現在を比較するために利用してください。
対策をしていく中で比較対象が必要になるので、このカゴ落ち率を利用して以前の期間よりも改善しているのか、もしくは効果がなかったかを見える化できます。
Shopifyで手動でカゴ落ちメールを送信する方法
幸いにもShopifyには、デフォルトでカゴ落ちメールを送信する機能があります。方法はシンプルですが、一度に複数の顧客にメールを送信する場合は時間がかかる場合があります。
↓管理者ページの「チェックアウト」の中にカゴ落ちに関する設定があります。デフォルトではONになっていますが、細かい部分を設定する必要があります。
↓「カスタマイズ」をクリックすると、以下のようにHTMLのメールをカスタマイズできます。「プレビュー」をクリックすると、実際のメールをカスタマイズすることができます。HTMLに明るくない方はアプリを使うことで、比較的簡単にメールをデザインできます。
まとめ
以上がShopifyのカゴ落ちについてでした。デフォルトの機能でも十分に対応できますが、余裕があればアプリを利用してもっとマーケティングを強化していくことをオススメします。以下はクチコミネットでオススメのShopifyアプリになります。みなさんおニーズにあったアプリを利用していただければと思います。
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カゴ落ち率はどれくらいが平均ですか?
①期間内の「完了」した注文の合計金額
②期間内の「カゴ落ち」した注文の合計金額
③期間内の「すべての」注文の合計金額 (①+②)
カゴ落ち率 = ②÷③
にて計算してください。
オンラインストアでカゴ落ちする主な理由はなんですか?
・送料が高い
・割引コード・クーポンが機能しない
・クレジットカードを再度入力する必要がある
・注文の発送に時間がかかることがわかった
・配送情報を再度入力する必要がある