TikTokライブでのポケモンカードくじは違法?リスクと問題点を解説
近年、TikTokライブを活用したポケモンカードのくじ引きが増えています。この手法では、視聴者がPayPalなどで送金することでくじを引き、当たりが出ればレアカードやパックがもらえますが、ハズレの場合は何ももらえないという形式が一般的です。
しかし、このようなライブ配信型のくじ引きには 法律違反の可能性やリスク があるため、注意が必要です。本記事では、考えられる問題点を解説します。
賭博罪に該当する可能性
日本の刑法では、賭博を以下のように定義しています。
刑法第185条(単純賭博罪)
賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。
賭博罪が成立する条件は、
- 金銭を支払い
- 偶然の勝負によって、財物(賞品)を得るか失うかを争う行為
です。
TikTokライブのくじ引きでは、✅ 700円を支払ってくじを引く ✅ 当たりなら景品がもらえ、ハズレなら何ももらえない
という仕組みになっています。つまり、偶然の要素で賞品を得るかどうかが決まるため、賭博に該当する可能性が高い です。
回避策
「ハズレがある」場合、賭博罪のリスクが高くなります。
- ハズレなしの形式にする(必ず何かしらの商品をもらえるようにする)
- 「700円でポケモンカードを購入し、その特典としてくじが引ける」という形式にする
- 無料でくじを引けるようにする(抽選プレゼント企画にする)
とはいえ、これらの回避策をとっても、法律の解釈次第では問題になる可能性があります。
景品表示法・特定商取引法違反の可能性
日本の法律では、くじや懸賞を伴う販売には厳しい規制があります。
- 景品表示法 → 射幸性(ギャンブル性)を煽る販売方法は禁止
- 特定商取引法 → 不適切な販売方法や誤解を招く商法は禁止
TikTokライブのくじ引きは、 ✅ 不特定多数の視聴者に対して行われる ✅ 景品の内容や確率が明示されていないことが多い
ため、これらの法律に違反する可能性があります。
PayPay の利用規約違反
PayPayでは「個人間送金」を「商品・サービスの支払い」に使用することを禁止しています。
- 個人間送金の利用は「ギフト」や「友人への送金」が前提
- 商品やサービスの対価として送金を受ける場合は、ビジネスアカウントを利用しなければならない
TikTokライブのくじ引きでは、主催者が個人間送金を利用しているケースが多いため、PayPayの規約違反でアカウントが凍結される可能性 があります。
TikTokの利用規約違反
TikTokの利用規約では、ギャンブル行為の促進や不正取引を禁止 しています。
- 「金銭を支払い、抽選を行い、商品を得る」行為 がギャンブルと見なされる可能性がある
- TikTok側が規約違反と判断すれば、アカウントの停止や削除 のリスクがある
このため、TikTokのライブ配信でこのような企画を続けること自体がリスク です。
消費者トラブルの可能性
ライブ配信でのくじ引きには、視聴者からのクレームやトラブルのリスクがあります。
- 「当たりが本当にあるのか?」という疑念が生じる
- 確率が操作されている可能性を疑われる
- 不正疑惑がSNSで炎上するケースもある
実際に、ネット上では「当たりが出ない」「詐欺では?」という声が出ることもあり、消費者センターに通報されるケースもあります。
支払い者(くじ引き参加者)も処罰される?
「このくじ引きに参加した視聴者(支払い者)も罪に問われるのか?」 という点について、
理論上、参加者も 単純賭博罪(刑法185条) に問われる可能性はありますが、少額の場合は処罰される可能性は低いです。
また、幇助罪(刑法62条) についても、
✅ 違法性を認識しつつ積極的に協力した場合は幇助罪に問われる可能性がある
❌ 単純にくじ引きに参加しただけなら、幇助罪に問われる可能性は低い
しかし、TikTokライブが警察の捜査対象となった場合、支払い者の情報が調査されることも考えられます。
まとめ
TikTokライブを活用したポケモンカードのくじ引きには、以下のような 大きなリスク があります。
- 賭博罪に該当する可能性が高い(ハズレありの場合)
- 景品表示法・特定商取引法に違反するリスクがある
- PayPayの利用規約違反に該当する可能性がある
- TikTokの規約違反でアカウント削除の危険がある
- 消費者トラブル(詐欺疑惑・炎上)に発展しやすい
- 支払い者も法的リスクを負う可能性がある(低いがゼロではない)
TikTokライブでのくじ引きは、法律的にも規約的にも非常にグレーゾーンであり、最終的には大きな問題に発展する可能性が高い ため、やらないほうが安全です。